子どもとの関わり方が変わってきた、2018年のリアルな父親像を考える

小学生ぐらいの子どもを持つと、必ず親がぶち当たる壁があります。

言語化してしまうと、「余暇の使い方」。

 

余暇というと大げさですが、要するに学校と生活以外の時間ですね。

放課後、土日祝、夏休み春休み冬休み。

子を持つ親のみなさま、どうしてますか? 

 

出かけるのか出かけないのか、出かけるとしたらどこに何をしに、出かけないとしたら誰と何を。もはや親にとって尽きない悩みですよね。

もちろん今の時代、ダラダラ家の中で過ごさせ続けることも可能ですが、なんとか子どもとの時間を作りたい、子どもに何かチャレンジさせたいと願う親が多いのではないでしょうか。

 

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というのも、子どもが親と一緒に出かけてくれるのもせいぜい小学校中学年まで。

高学年になるとお友達との付き合いや、習い事や部活、塾などのイベントを優先させるという子がほとんどらしいですから。

 

そこで、赤ちゃん〜幼児〜小学校低学年までの年代の子を持つ親の動きを、日頃から浅ーーーく観測していた私が、僭越ではありますがこの記事でえいやっと余暇の過ごし方を強引にまとめてみたいと思います。

 

唐突ですがまずはタイプ分析から。下記どうぞ。

 

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A)企画/運営を母親が一手に担う

父親の帰宅が遅く、また「休日はゆっくり休みたい」「自分の趣味や好きなことをしたい」という希望を父親が貫いたり、子どもと父親の休日が合わなかったり激務or単身赴任or出張で父親がそもそも在宅していないという場合、母親が子の余暇の過ごし方の決定権を握ることになります。

 

父親は参加してもBBQで肉を焼くのが関の山で飲んだくれて終盤使い物にならないのがこのタイプで、年に1回家族揃ってディズニーランドや旅行に行くのを楽しみにしているパターンですね。いわゆる「昭和のお父さん」。

観測している限り、妻が家計を握っていて、夫が小遣い制なことが多い。

 

そういった夫を持つ妻(母親)の場合、実家に頼るか、同じ境遇の母親同士で連帯することでなんとか毎日をしのいでいます。そもそも平日もワンオペなので、休日の過ごし方までなかなか手が回らない。

そりゃそうです...。

ちなみに教育面で言うと、公文やベネッセなど通信教育、つまり自宅で完結できるものを求める傾向が強いです。

 

B)企画/運営共に両親で担う

キッズスペースやオムツ換えできるトイレ、チャイルドフレンドリーなレストラン、子どもが駆け回れる公園や遊び場に父親自身が精通している場合が当てはまります。

家族で出かけることが好きで、商業施設をのぞいたり、公園でまったりしたり、交通機関で移動したり車を出すことに抵抗が少ない。食事やトイレといった子どもの世話も、母親と父親がほぼ同等に担うことができるのが特徴。

子どもの習い事にも興味関心があり、情報収集を怠りません。

 

BBQでは子どもと遊びながら自分も飲み、さらに同行している妻(母親)が飲んで楽しめているかもチェックできる父親がこのタイプですね。

観測している限り、結構な割合で共働き、財布は完全には一緒にしていない(夫婦それぞれ別財布)ことが多い。

 

「育児に協力的な父親」というのはしばらく想像上の生物だと思われてきましたが、最近の若い両親はごく自然にこういうことができるタイプが多くなってきました。

時代よな…。 

  

C)企画/運営のメインが父親

父親が仕事量や場所のコントロールが効く場合に多く、仕事と同じ感覚で、休日の過ごし方を企画してしまうという、ごく最近出現したタイプ。

習い事の費用対効果を真剣に検討したり、仕事上のイベント運営と同じノリで子どもの余暇を設計できるのが特徴。

教育に熱心で、子どもに「経験」を与えたいという欲求が強く、知的好奇心が旺盛。

 

観測している限り、父親の年齢か年収のいずれかが高く、支出の権限が父親に偏っている場合が多い。

BBQでは飽きたらず、グランピングに手を出して各施設の出来を比較してしまうのがこのタイプ。

 

パパ同士のゆるい連帯もあり、母親を置いて父子で出かけることに抵抗がない。

母親側が割り切って享受できているかにもよりますが、夫(父親)の企画に妻(母親)が口をほとんど出さないという場合が多いようですね。

ちなみに教育面では、将棋やテニスなど戦略性の高いゲームへの評価が高く、教育を「投資」と捉えています。

 

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ここまでA〜Cまでタイプ別に分類してみましたが、本論はここから。

 

整理してみて初めて気づいたのですが、担う人間が母親か父親か双方かによって、かなり個性が出るんですよね。

 

性別で論じるのって本来私の好みではないので、当初は「(子の余暇に使える)予算の多寡」で串刺しにして整理しようと思ったんです。ところが、これでやってみると途中で行き詰まっちゃうんですよね。

要するに、子の余暇の過ごし方や教育に「投資する」という決断をできるのは、収入が多い親、つまり日本の現状だと圧倒的に男親なんです。

 

いや、「昭和のお父さん」に代表されるように、稼ぐだけ稼いできて家庭や教育は妻に任せっきり、いざ大学選びや塾に行かせるかどうかなど経済的な判断の際だけ出番を全うする、というスタイルが長らく続いてきたとは思うのですよ今まで連綿と。

だからこそ「母親の学歴と子の学力が相関する」という結果になってるだけだと↓↓

 

gendai.ismedia.jp

 

しかし、肌感なのですが、どうも最近揺らいでいるのはそこなんですよおそらく。

そこで前述したような予算の多寡ではなく、男親の関与度合いで整理してみるとABCのタイプ分けがバチっとハマったんですよねーもう気持ち良いぐらいに。

 

昭和のお父さんのAタイプに、新しい共働きスタイルであるBタイプ、突き抜けた父親偏重Cタイプが出てきて、どうも子の教育に関する家庭内の意思決定パスが2018年現在でゴゴゴと変わってきてるぞ...というのが実感なんです。

 

今までは財布を出すだけだった父親が、どんどん子の教育や余暇の過ごし方に積極的に関わるようになってきています。

子どもというのは、習い事や教育ももちそんそうですが、子どもに与える娯楽やテレビ・ゲームのコンテンツ選びに至る細かいものまで、親はいちいち何を与えるのか決断を迫られます。今までは母親単独で判断するケースが多かったのが、父親がそれに関与するようになると「投資判断」と似たような判断ができるようになってくるんですよね。

同僚や部下や事業をみている経験が多ければ多いほど、自分の子供の客観的な評価を(ある程度まで)適正に下せるようになります。

 

これはもちろんメリットでもありますが、一方でデメリットでもあります。

 

男親はいわゆる「損切り」をきちっとやってしまうのですよね、自分の子どもに対しても。「この子は算数が得意なので、○○まではいけるだろう。一方で国語は伸び代がほとんどないから諦めよう。」と合理的な判断をするわけです。

 

母親だとあまりそういう思考にいかないんですよ、私も含めてですが「4教科もれなく全部頑張って、授業態度も頑張って内心ももらえるようにしなきゃ!」という都合の良い夢を子に抱いてしまう笑。なぜか。

「プログラミングも英語も塾もやらせて、グローバルな子どもに育てたい」となる夢見がちになるのは男親ではなく、必ずお母さんの方なんだよねというのが肌感です。

 

しかしながら一方で、お母さんのその猪突猛進なパワーが、子どもを追い立て、結果的に今自らが立っている階層を破ることに成功することもあるわけです。

まさに孟母三遷の教え

 

というわけで、母親父親双方が子育てに関わるようになっている2018年現在。

これから受験産業やら子供向け事業やらコンテンツ産業が母親だけに媚びていた時代は終わりを告げ、より父親に向けたメッセージを送る必要が増えてくるのかもしれません。そこらへんはまた別で考察したいと思います。