突然ですが、KUWKのファンです。
内容はリアリティを装ったショーだしネタは陳腐なんですけど、なぜか中毒性があってやめられない....
番組名「Keeping Up With the Kardashians」の頭文字をとって、#KUWK でサーチするとたくさん引っかかってきます。
この番組は同じ母親を持つ5人姉妹を主役にしたリアリティ番組で、2007年から放映開始して今年でシーズン16を迎える長寿番組になってます。
全シーズン通して視聴してるわけではないのですが、セレブリティーがあけすけに日常生活を送ってる姿ってどうしても一般庶民のゴシップ心を刺激してくるんですよね。
また、番組自体がかなりうまくできていて、
・番組内で公開プロポーズ→派手に結婚式あげて視聴率爆上げ→数ヶ月後に離婚
・家族で口汚く罵り合うケンカ→すぐに仲直りまで余さず撮影
・整形含む美容の裏側をわりとあっさり公開
・姉妹がわりとダメ男に捕まる→浮気したら一家全体で制裁
・パリのホテルで強盗に押し入られた盗難事件さえ番組内でネタに
・不妊治療や、出産子育て、発作などの病気のほか金銭トラブルも余さず番組のネタにする
・公開しなかったのはカニエ・ウエストとキムの結婚式(格上のカニエが相当嫌がったらしい)とカイリーの極秘扱いの出産ぐらい
というように、セレブリティの日常を清濁合わせてきっちりリアリティショーとしてエンターテイメントに昇華してるのがすごいんです。
と、ここで語りたいのは番組ではなくて、5人姉妹の末娘、カイリー・ジェンナーの稼ぎっぷりについて。です。
先日、21歳になった彼女の推定資産が1,000億円を超えたとの報道もありました。
これはFacebook創業者のザッカーバーグ氏より早い達成だとされてます。
カイリーのビジネスモデルはこの記事が一番分かりやすい↓のでご一読を。
カイリーのビジネスは、7人のフルタイム従業員と5人のパートタイム従業員で成り立っていて、製造はOEM業者に委託。販売管理はECプラットフォーム「ショッピファイ」。財務や広報、実際の事業経営は、カイリーの母親が担っているという家族経営のレストランみたいなこじんまり感。
けど事業規模は8億ドル!という、まさに現代の錬金術。
彼女のSNSへの献身は1990年代以降に生まれた世代の特徴でもあり、「絶対にセルフィーしちゃダメ」と主催者であるVOGUEのアナ・ウィンター女史が厳重注意したパーティーでも、隣に座った人には目もくれずずっと手元のiPhoneをいじっていた上、ちゃっかりトイレでセルフィー撮ってIGにあげちゃうという現代っ子っぷり。強心臓。
2018年の出産はタブロイドに妊娠疑惑としてかなり追いかけられましたが、沈黙を守ったカイリー。
出産後はまず自身のインスタで「今までなんでもシェアしてきてたのに妊娠したのを隠しててごめんね。妊娠中をストレスフリーでポジティブなものにしたかった。プライベートを守ってくれた友人や家族には感謝してる」と、あっさりファンに報告。
結局出産までの9ヶ月、隠しとおしたことで注目度を維持し続けたという結果になり、PR戦略として大成功。
また、SNSがすべてではないという態度は、デジタルデトックスという名の冷却期間を併用しながらSNSを使い続ける同世代に親近感をもたらしたともいえます。
そのSNS時代の申し子であるカイリーが、コスメビジネスで成功した理由を私なりに整理してみました。
1.インスタを存分に使ってセルフイメージを確立してから、プロダクトを投下した
2. 実店舗や在庫を持たずにSNSで告知してWeb販売
3. 限定生産から少しずつロットを増やす現実路線
4. 姉のキムで「知名度を活かしたビジネス」を間近で観察できた
5. KUWKは別として、テレビや雑誌の露出をかなり選んでコントロールした
6. 整形(唇へのフィラー注入)などありのままの姿や本音をSNSで晒した
これまんま、今どきのマーケティング用語でいうところの「D2C(Direct To Consumer)モデル」の一例として説明できるんですよね。
この記事でビジネスモデルについて解説がありますが、
ちょっと異なるのは、カイリーが売っているのは「カイリーのイメージ」なのであって、別にプロダクトはコスメでも洋服でも香水でもなんでも良いわけです。
今現在、コスメをD2Cモデルで販売するのが一番商売上の効率が良いというだけで。
年の離れた姉たちが自分の知名度を活かした仕事、 例えばパーティーに姿を現すだけでお金がもらえる営業とか、ファッションブランドとライセンス契約を結んだり、絵文字やアプリを手がけたロイヤリティ収入など、自分のセルフイメージを大衆に売ることでお金に変えてきた姿。
それを末妹として観察してこられたことは、彼女の成功に大きな影響を与えています。
だからこそカイリーは、「好き × 得意(センス) ×知名度 」という自分の強みを丸ごと活かしたコスメブランドを立ち上げたのだと想像します。
カイリーはもともと、実姉のケンダル・ジェンナーのようにモデル並みの上背があるわけでも、キムのように胸とお尻がでかいわけでもなかったので、「自分の強みはなんなんだろう」と自分自身に問う機会も多かったのでは。
カイリーはセルフプロデュースの面で天才的なセンスがあり、コスメの前にはカラーウィッグのプロデュースもしてました。ギリギリ下品にならないのが彼女のセンスのすごいところ。
ちなみにカイリーのブランドは、パッケージデザイン含めたアートワークも素晴らしいんですよねー。
2015年にカイリーが自分の名前を冠したブランドを立ち上げたあと、姉にあたるキムは2017年に後発でブランドをローンチしています。 これも好調。forbesjapan.com
Appleや完成車メーカーがそうであるように、資材を調達して在庫を実際に持たないビジネスモデルは強いよなあーと庶民の私は見守っておるわけです。
フローフシも社員5人だし。つおい。
というわけで、最後にカイリーコスメティクスのWebサイト置いて締めたいと思います。夜間は結構メンテで閉じてますが....