感想を書き連ねたいのは山々なのですが、まず視聴形態からさわらせてください。
まず、我が家の環境はこんな感じ。
・常設(据え置き型)のテレビなし
…という環境なので、どうやって視聴しようか迷ってはいたのですが、さすがテレ東さん!
放送後1週間は無料配信してくれるんですね!
神じゃん!!
▼ネットもテレ東▼
https://video.tv-tokyo.co.jp/kinounanitabeta/episode/00070807.html
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という訳で、よろこびのドラマ第1回レビューをお届けします。
結論から申し上げると、
うん、大成功!
です。
原作とドラマの性質上、キャーキャー騒ぎたてるようなテンションで視聴する訳でないのですが、終始頬が緩みっぱなし。小腹空きまくり。
個人的にですが、日本のドラマ見てるとこうなんというか…演技があざといというか大仰に感じられて途中から見るの辛くなり、結果没入感が失われる経験が多いのですが、それが全くない。
良い意味でオープニングからエンディングまで安心して見通せました。
①シロさん
西島さん、セリフ多い!
原作でも使用されている「料理を作る人の脳内独り言をナレーションで表現する」という、マンガ的表現をそのままドラマでもやってるのでしょうがないですが、これは『孤独のグルメ』の二郎さんもびっくりの量なのでは。
原作だとさらーっと読み流すとこですけど、これ実際喋ると文字数と尺がすごい。
滑舌と抑揚のコントロールができないと見てる方にはストレスになる訳ですが、これを鮮やかにやり遂げてるのが職人。さすが!!
ネコタチの話ではなく、シロさん役はケンジに比べて動静でいうと静、つまり受けの演技をする位置付けなんですが、これって本当難しいんですよね。
できてないとドラマ全体が一本調子でアホな感じになっちゃうもの。
西島さんが屋台骨としてじっくり構えていてくれるからこそ、ケンジが生きてくるんですよう。
②ケンジ
キャラクターが内包している、オネエっぽさの発露加減についてドラマ化にあたり一番心配していたのは過去のブログでも触りましたが…
内野さんすげえ!ケンジがケンジ!!
「脇を締めるのがオネエを演じる時の基本姿勢」と聞いた事がありますが、その加減が絶妙なんですよね。食べてる時とか感極まってる時に脇をむぎゅーって閉めて肩が上がってる感じがわざとらしくない!ここ大事!
13:13「中村屋には売ってないやつなんだよーシロさんも食べたいって!…ゴメン」
の鮮やかな起伏
14:47「(「最後頼りになるのは金だけだろ」を受けて)…そうだね」の微妙な表情と仕草と眉根
19:16「あすいません、僕ゲイなんですよ」からの罪の無い&アホじゃない感じ
22:11 スキップからの肩ドン。こんなの現実で大の大人がするとは到底思えないけど、それを現実に無理なく引き寄せて表現してしまう役者魂!!
25:14「奥さんや子どもの話をするよ」の、涙声になる前のわずかな低い地声の混ざり加減のリアリティっ!!
28:28「ひょん」のくだり全体が神がかってる!他人の惚気を見て幸せな気分です。
(これは毎回エンディングはこういうほっこり多幸感演出にしていただけたら嬉しす)
というわけで役者評はここまで。
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ここからは原作厨としての意見ですね 。
何気にこのくだり↓を、もれなく全部入れてくれたのは嬉しかったなー!
なぜシロさんが高収入で節約家なのかっていう動機付けとしてこれ以上ない名文だからです。
これ、今の時代を写し取ったという意味でも素晴らしくて、「働き方改革」とか「ワークライフバランス」とか「フラリーマン」とか「共働き世代」とかいろんなキーワードでいろんなところで語られてますけど、要するに「家でご飯食べようよ」っていう時代なのだと思うのですよ2019年が。
日曜の夜に家族全員で食卓を囲みながらサザエさんを視聴する、という昭和平成時代ほど私たちは娯楽に飢えていないし、みんなで一つの幻想を追ってもいません。
家族のあり方も嗜好も在宅時間もバラバラです。
でも、働いて疲れて5営業日を終えて帰ってきた金曜の夜、母語のコンテンツでクスッと笑って、満ち足りて眠りにつきたい。
そういう気持ちに寄り添ったドラマが本作なのだと思います。
『孤独のグルメ』もそうでしたが、より「大人のためのサザエさん」みが強いのが特徴ですね。それは男性同士のカップルを描いたことではなく、家でのご飯をテーマに据えたからだと思っています。
そういう意味で、おっさんずラブとは違う到達点を目指しているのだなという制作側の意図を正しく理解できたように思います。本当にイロモノとして調理されず、原作に沿ってくれてよかった!嬉しい!!
おっともうこんな時間…(朝チュン)
第2回を楽しみにここらでいったん筆をおきます。
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