菊池ではなく菊地

mixiでは飽き足らないが、Twitterがどうにも使いこなせないのでまいりました。

今日初めて菊地成孔菊地秀行が兄弟ということをwikiで知りました。世にも類いまれな兄弟ですね。年違うだろーと思ったら16歳違いだそうで、そりゃもう幼き成孔くんはぐんぐん大人の文化を吸収しちゃうよねー。兄貴の部屋でCDレコード書籍手当たりしだいむさぼれるっていうのは、末っ子のありがたいところですなー。

だって菊地秀行って言ったらもう私の中では「吸血鬼ハンターD」の人ですよ。シリーズ進むにつれどんどんDが神格化されていくという読者にとっては諸刃の剣で読者の心を離さない人!つまり、初期のDはハードボイルドで人間で言ったら指とかゴツゴツしてる感じがあって絶世の美貌とぶちあげられても顎のがっしりしたダビデ像っぽい容姿を想像していたのですが、巻が重ねられるごとにどんどん中性的というか天野喜孝の絵にひっぱられたのか人間っぽさが薄れていって魔物っぽくなり(まあ実際吸血鬼と人間のあいの子という設定なんですからしょうがないか)、トランプでいうジョーカーっぽい存在になっていくわけです。別にhunter×hunterヒソカと重ねてる訳ではないけども。
このD像をうまく映像化したのが映画「vampire hunter D」で、神がかりだけどちゃんと人間として動いているDというのが描かれていて素晴らしい。これ見てから小説を読んでもきちんと想像のアテレコ(文章から動いてる映像を想像する作業の私的表現です)ができるようになりました。ありがとうマッドハウス

話は戻りますが、兄弟を比べてみたところの共通点はなんなのかというあたりです。容姿はあきらかに弟でしょう、ほっぺたのこけてるところがセクシーだす。才能で言ったらキャリアの長さで兄に軍配かな。だって八頭大シリーズとか読んでて本当に心臓がバクバクいうんですよ、比喩ではなく実際に。宮部みゆき的な「面白くさせてる要素が素人にはなんなのかよくわかんないけど、ページをめくらせる技術に長けていて、しかも長編として成功している」作家だと思うのですが、あんまり一般受けしてないのよね(北米では大人気ですが日本での人気はどうもカルトすぎちゃう気が・・・)、もったいないわ。対して、弟のDCRPG時代の「mirror balls」http://www.youtube.com/watch?v=ZoVPf514YHk涙が出るくらい素晴らしいしな。比較はしがたいが、キャリアの途中にあるという点で評価はまだ兄に及ばないということで、やっぱ今んとこ兄が優勢?
共通点としたら、二人とも「家の中に大量のコレクションがある」というぐらいでしょうか。幼い成孔氏は当時家を出てもそのままにしてあった兄貴の部屋の蔵書とコレクションを、博物館がわりに利用していたそうです。かくいう私の姉も10歳違いで、大学進学で家を離れたため一緒に暮らした記憶が断片的にしかありません。姉の部屋には雑誌ムーが3年分ぐらい置いてあって、筋金入りのオカルトな人でした。たまにムー読むと出はじめの麻原彰晃が浮いてるページがあったりねえ(遠い目)。そんな姉が中学生高校生にかけて与えてくれたのがラブクラフト全集、大事そうにカバーをかけて「汚くしないでね」と釘をさすのも忘れない姉。名作「狂気の山脈にて」を読んだのがたまたま深夜で、怖すぎてげろ吐きそうになりましたよあん時は。おそろしい姉!周りに読んでる友人が誰一人としていなくてその衝撃をシェアできなかったのは残念でしたけど、本を通じて実際はそばにいない兄弟(姉妹)がつながってるってのも今考えるといいもんです。そして、ラブクラフト大好き作家として有名なのが兄秀行なわけですよ。兄(姉)がラブクラフト好きってのが、今んとこ私と菊地成孔の共通項のようです。